管理人 : 松浦明宏 | |||
今回はMalcolmの論文(Malcolm, J., 'A Way Back for Sophist 255c12-13-', Ancient Philosophy 26 (2006), 275-289)の話ですが、解釈の原則・方針を読んだところで、思わず「ガクっ」となってしまいました。 'I shall follow three interpretative principles:IP-II の例 'larger than' と 'large' のところに、各々 'different from' と 'different' とを代入すれば、 In the surface grammar 'different from' requires a completion, but 'different' does not and at this level is not a relative term.(italic mine)ということになります。しかし、これはto de g' heteron aei pros heteron (異は常に他のものとの関連で)というテキストの言葉に反します。このように、MalcolmのIP-IIにはテキストと相容れない内容が含まれているのではないかと思えます。あるいは、どうして 'different' と 'different from' については、'large' と 'larger than' との区別があてはまらないと言えるのかが疑問だと言った方が、誤解は少ないかもしれません。いくらなんでもまさか形容詞の原級と比較級についてのみ自体性と関係性の区別を想定しているなどということはないと思いたいです。 これは私の勘違いなのでしょうか。かの John Malcolm がこんな間違いをするはずがありませんからね。きっと、論文を読んでいけば私の誤解だったということが判明するのでしょう。 (この続きは、「Malcolm (2006) (続き)」に書きました。)
by matsuura2005
| 2008-01-08 06:35
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