管理人 : 松浦明宏
韓国で『プラトン全集』出版
連休前のニュースですが、リンク先の記事(朝鮮日報 2007/04/22 10:16:08)によりますと、ギリシア語原典から韓国語に翻訳された『プラトン全集』が出版されはじめたようですね。プラトンがアカデメイアを設立したように(? →記事内容とは少しずれるかもしれません)、放送大の李政浩(イ・ジョンホ)教授が「私財をはたいて設立した鼎巌学堂」の研究者たちによって翻訳作業が進められたそうです。

この記事を読んで私が最も興味をひかれたのは、プラトン全集の翻訳が出版されはじめたということよりはむしろ、私財をはたいてプラトン哲学に関する研究機関を作った大学教授が韓国にはいるということでした。こうした大学教授が、過去、日本にいたのでしょうか。私が知らないだけで、ひょっとしたらいた(いる)のかもしれませんし、学術論文の出版や定年に際して退職金の一部を寄付した大学教授なら何人か知っていますが、自分のお金で研究機関を作ってそこで翻訳作業を進めるというような規模の大きな話は、あまり聞かないのではないかと思います。大金をどう使うかで、その人が本当に哲学者かどうかがわかるといったところでしょうか。

そういう意味で、日本の哲学研究者の中に本当の哲学者が何人いるのか、と、少々こころもとなくなってきました。哲学に関する学識があればそれでただちに哲学者だということにはなりませんからね。ソフィストと哲学者との区別ということが、プラトンの対話篇に関して話題にのぼりますが、ひょっとすると、韓国のイ・ジョンホ教授を前にしては、日本の哲学研究者などはほとんどソフィストの種族として頭をたれるほかないのではないかという気がしてきました。
by matsuura2005 | 2007-05-07 20:19
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