管理人 : 松浦明宏
匿名掲示板
掲示板だけの話ではなくて、ブログやホームページ、匿名メールのメーリングリストなどについても同様のことだと思いますが、どうして匿名で話をしているのに、喧嘩になるのでしょうか。

プライバシーの侵害とか、名誉毀損というのは、実名がわかった上で、あるいは、実名の推測がつく形での匿名の場合に、成り立つことであるように思います。となると、当事者同士の実名が、何か特別な対策をとらない限りわからないような状況で、もし喧嘩になるようなことが起こった場合には、それはプライバシーの侵害や名誉毀損の問題ではないということになるはずです。

例えば、ごく単純化した例で言えば、パソコンならパソコンについて、非常に初歩的な質問(グーグルで検索すればすぐわかるような質問)をする匿名の人がいたとします。この質問者に対して、「そんなこと自分で調べろ」という類いの匿名の応答があった場合に、なぜそのような応答をしたい気持ちになるのか、あるいは逆に、そのような応答を受けたり、無視された場合に、なぜあまりいい気がしないのか、というようなことを、私は考えているのです。

あるいは、匿名集団内の和を匿名人物が破壊するようなことを言ったり行なったりしたとして、そもそもそのバーチャルな匿名集団に起こった「事件」に対して、なぜ「現実の自分」が腹を立てるのでしょうか。自分も相手も実名がわからないのなら、何が起ころうと、プライバシーの侵害や名誉毀損という観点からは別に腹を立てる理由などないはずなのに、どういうわけか、よくもめ事が起こるようです。

一種の「ゲーム」の「ルールを守らない」と言っても、現実世界なら、目の前の相手が誰だかはっきりわかっているし、こちらも誰だか相手にははっきりわかっているので、ゲームに負ければ腹も立つでしょうし、相手がルールを無視すれば、場合によっては、喧嘩になっても不思議はないと思います。しかし、繰り返しになりますが、相手も自分も互いに誰だかわからないような状況で「ルール違反」があった場合に、なぜ「現実の自分」が腹を立てるのでしょうか。或いは、問いかけを「無視」されたりした場合に、なぜ「現実の自分」が腹を立てるのでしょうか。

別に、腹を立ててはいけないとか、ネチケットを守らなくてもいい、と言っているわけではなく、ルールは守らなければならないと思いますし、腹の立つものは仕方がない。わからないのは、なぜ実名でも現実世界でもないのにルールを破られると腹がたつのか、ということなのです。

現実の自分をネット上の匿名の自分に投影しているということなのかもしれませんが、だとすれば、なぜ投影してしまうのでしょうか。本来ならそうしなくてすむための匿名であるはずなのに、と思うのですが・・・。

また、昔はネットと現実世界とが遊離していたが、現在はネットが現実社会の一部になっている(から、ネット上の事柄に対して、現実の自分が反応するのだ)という考えも、この場合にはあてはまらないように思います。なぜなら、ネットと現実とが遊離していた(とされる)時代にでも、上のような「喧嘩」はあったはずですから。ネットと現実とが分離していても、現実の自分が反応すると考えられる以上、ネットと現実とが一体化していることを理由に、ネット上の自分への攻撃に対して現実の自分が反応することを説明することはできない、ということです。

ひょっとして私は愚にもつかないことを考えているのかもしれません。誰かが、そんなこと簡単だよ、といって、答えを教えてくれるのかもしれません。答えがわかった人はどうか教えて下さい。
by matsuura2005 | 2005-12-07 22:29
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